学校長挨拶
ごあいさつ

 茨城県立水戸聾学校のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。昨年度に引き続き校長を務めます本橋 源己(もとはし もとみ)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 今年度は、幼稚部6名、小学部28名、中学部12名、高等部16名の計62名でスタートしました。寄宿舎では、小学部から高等部までの22名が共同生活をしています。また、就学前支援として、早期教育やサテライト教室(日立市と鹿嶋市)、小・中学校に通学する子供のための通級指導教室、さらに、特別支援学校のセンター的機能を果たすべく、聞こえに不安のある子供、その保護者の方を対象とした相談支援や就学前施設、小・中・高等学校等への支援を「聴覚障害教育支援センター」にて行っています。
 昨年度の在籍数が76名でしたので、実に14名減少したことになります。本年度が創立117年になりますが、平成12年度に在籍者数が100人を下回ってから、在籍数は徐々に減少してきています。人工内耳の装用者の増加、補聴援助システムの普及、インクルーシブ教育システムの浸透等により、聴覚に障害があっても通常の学級で学ぶ幼児児童生徒が増えたと前向きにとらえたい一方で、この状況に寂しさを感じるところもあります。しかし、学ぶ学校が異なっても、聴覚障害による困難さは共通しており、その困難さを主体的に改善する意欲や態度を育むことは、社会で生活する上で大変重要です。本校としての使命を十分に理解しつつ、聴覚に障害のある子供たちの支援を行っていく必要があると考えています。
 本校の在籍数は減少していますが、子供たちは意欲的に学習に運動に励んでいます。理解し合えることの安心感、信頼感を土台として、自分の障害と正面から向き合い、共に励まし合い、支え合いながら成長しています。こうした子供たちの様子は、随時学校ブログで紹介しております。昨年度は、私もブログを63回更新し、学校の様子を紹介してきました。今年度も引き続き、情報発信に努めてまいりたいと考えておりますので、お時間のある時には本校のホームページをご確認いただければ幸いです。
 最後になりますが、本校では、教職員がコミュニケーションにおける手話の重要性を十分に共通理解し、加えて、日本語の指導に力を入れてまいりたいと思います。確かな日本語の力は、子供たちの「生きる力」となり、輝かしい未来を拓くことにつながっていくと考えます。100年を超える伝統を基に、新しい教育観や学びのスタイルを組み合わせ、子供たちが自ら学ぶ意欲と態度を高めてまいりたいと思います。

令和6年4月 茨城県立水戸聾学校長 本橋 源己